ねつをのブログ

インプット意識の高い就活生がアウトプットします。

これからの公認会計士は相続のマーケットを狙うべきという話

筆者の大学でも、行政書士公認会計士、弁護士の資格を取得する人はちらほらいます。が、時はビッグデータ人工知能の時代。契約書の電子化、財務会計クラウド上で監査され、異常な取引を人工知能が指摘する、そんな未来が来るかもしれない。現に、以下の記事の様な法曹分野の証拠開示手続きにおいて、少しづつ機械学習が使われています。

wired.jp

 では、こういったいわゆる「士業」が機械に駆逐されるのでしょうか。それはないと思います。なぜなら、手続きに「人情」が存在するからです。例えば、浮気調査で「クロ」と出ても、情けが生じて訴訟をしない。そこには機械がロジカルに割り切れない、時間をかけた交渉が必要なはずです。

大学の法律科目の講義中、筆者は思い付きました。これからの「士業」の専門家が目をつけるべきは、高齢者の相続手続きのマーケットではないかと。以下に理由を示します。

相続には多大な「人情」が生じる。

一般的に相続においてリーダーシップを張るのは長男です。故人の遺産の資産価値を算出し、オープンに公開する。長男のトップダウンで相続順位を決め、相続額を決める。大学の講義の例では土地の継承がある場合、継承された人が固定資産税を払う必要があるようです。当然、誰が税金を払い続けるか、という話にある。ここに、「人情」が生じるわけです。「故人の銀行口座をオープンにするのは忍びない」、「一度も実家に帰ってこない次男夫婦はけしからん」、という具合にです。そして、こういった相続の手続きをする肝心の長男が亡くなっていたりするわけです。長女がリーダーシップを張れるでしょうか。女性は右脳、つまり感情に左右されやすい傾向があります。「人情」を割り切ってトップダウンに手続きを実行できるとは考えにくい。では、誰がやるでしょうか。日本のトップ企業ですら、リーダー人材の不足が叫ばれている時代です。当然、親戚間でリーダーシップを張れる人材も不足しています。すると堂々巡りの会議が始まり、互いの批判が始まる。親戚同士が犬猿の仲になる。これだったら、故人が死に切れません。そして、ここでミソなのが「人情」を人工知能は読み取ることはできない、ということ。常にロジカルな最適解を示します。我々は人工知能の示す相続プランを採用するでしょうか。否、ここに人間の関わる余地があると思うんです。依頼を受けた第三者が公正にオープンにリーダーシップをとって遺産相続する、そういうニーズがあると思います。

「2030年問題」が近付いている。

少子高齢化が問題視されて久しいですが、あと15年後には「超高齢化社会」が近付いているわけです。以下の記事が主張するように、2030年には3人に1人が65歳以上の高齢者となり、少子化で働き手の負担が増えます。

たとえば、高齢化。日本は世界のフロントランナーとして高齢化の先頭をひた走る。2030年には人口は今より1000万人減って1億1000万人となり、 3人に1人が65歳以上のお年寄りとなる。働き手が減って経済成長できるのか、また、社会保障は持続可能なのか。多くの人が不安を抱いているに違いない。

2030年ニッポンの未来はどうなる? | 週刊東洋経済(ビジネス) | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

高齢者が爆発的に増えるからこそ、相続のマーケットが拡大するはず。子供がどんどん減るからこそ、相続をきちんとやりたい。そして、実家は地方の田舎、息子夫婦は都市にいる、そんな世帯も少なくない。だから、例えば話し合いにリモートサービスのテクノロジーを使う。帰省できない、リーダーシップを張りたくない、でもオープンに素早く相続したい、そんなニッチだけど王道のマーケットを取りに行くセンスがこれからの「士業」の人に必要だと思うのです。

最後に

「士業」の人に限ったことではありません。今の就活生にとって、「人工知能・超高齢化社会」と如何に付き合うか、そんな視点が必要だと思うんです。だって、今後の働き手の負担が増えるんですもん。だから、人口知能による生産性の向上を図る必要がある。

高齢者が増えて、日本市場がシュリンクする。モノが売れない、家が建たない、都市と地方の格差が進行する。そして、テクノロジーが進歩し人工知能に仕事を奪われる。今後の日本のビジネスシーンでは人工知能と高齢化が同じ文脈で語られるはずです。だからこそ、人工知能に出来ないことにリソースを集中する、高齢者の感じる価値を見極めるマーケット感覚が必要だと思います。

実際に戸建ての代わりにマンションが売れる、新築の代わりにリフォームする、以下のような「就活」ならぬ「終活」のニーズが増えるわけです。

www.excite.co.jp

こんな未来の閉塞感を吹き飛ばすような「逆転の発想」こそがイノベーションを生むと思うんです。課題先進国である日本経済のモデルケースを見て見やがれ、と海外に胸を張りたいじゃないですか。そういう意味で、これからの公認会計士は相続のマーケットを狙いにいったら、という話でした。