ねつをのブログ

インプット意識の高い就活生がアウトプットします。

孫正義氏のロールモデルは多くの文系学生の参考になるという話

最近キャンパスにリクルートスーツの学生がちらほら増えてきて、そろそろ本格的に就職活動の波を感じる次第です。「竜馬が行く」に影響された筆者が思うに、就職活動とは「一度切りの人生をかけて何を成し遂げたいか」を決めることだと思います。しかしながら、IT無しにはビジネスが出来ないこの時代。文系学生は事業イデアを思いついても技術力不足の壁が立ちはだかります。ビル・ゲイツイーロン・マスクラリー・ペイジ、世界の名だたる起業家の多くが理系出身。あー、所詮文系学生は志を立ててもサラリーマンとして生きるべきか・・。

そんな思いでネットサーフィンをしていたら、面白い記事を見つけました。

www.co-media.jp

「情報革命」を掲げてソフトバンクを設立した孫氏。学生時代には「音声付き電子翻訳機」の開発でシャープから1億円を調達しています。そんな孫氏はカリフォルニア大学バークレー校に留学し寸暇を惜しんで経済学を勉強していたようです。しかし疑問に思うのが、いくら孫氏でも文系学生が音声認識技術を使った開発が出来るとは思えないわけです。ましてや、それが当時のフロンティア技術であってエンジニア出身でない文系学生がアイデアだけで勝負するのは困難に思えます。

そこで、孫氏のとった行動は以下の様。

孫氏は校内から専門家たちを集めプロジェクトチームを結成することにした。ノーベル賞 受賞者を多数輩出する大学だけに優秀な研究者や言語学者には困らなかった。コンピュータ学部の教授を中心に電話をかけまくり、熱心にリクルートした。だが そのアイデアには興味をもった教授たちも「忙しいから」と断られてしまう。それでも先方に報酬を支払うことで合意を取り付けた。もちろん手持ちの現金はな かったが、試作機ができた時点で日本の会社に売り込み、その契約金を成功報酬として支払うことで納得してもらった。こうして一流の教授たちを口説き落と し、孫氏は自らの発明を商品化するための最強のチームを結成した。

学生時代に1億円以上を稼いだ孫正義の「ブルドーザー営業術」 - ライブドアニュース

つまり、大学ネットワークを活かして技術のスペシャリストチームを結成し、その指揮をとったわけです。自分で出来ないなら、チームを作ればいい。簡単な思考の転換のようで、はっとさせられる。考えてみたら、大学のコミュニティーというのは簡単に学部の垣根を超えてスペシャリストを探せる環境があるわけです。バイオやIT、デザイン、工学、会計、法律、統計、心理学など様々な専攻を学んでいる学生が一堂に介している。

「こんなサービスを作ったら社会問題を解決できるはずだ」、「こんなモノを作ったら爆発的に売れるマーケットがある」、文系学生が得意とするアイデアを実現する場があるわけです。しかも、最先端の研究をしている教授がいる。社会人とは違い「学生だからしゃーない」という印籠がある。自らプロジェクトを立ち上げた経験が就活ネタにもなる。最近ではSNSで発信し他大の学生とも簡単に繋がれる。それを一昔前に孫氏が実行している。しかもアメリカで。その行動力がやっぱり凄いなと思うわけです。

別に起業じゃなくてもいい。体育会、サークルといった活動において、多様な学生の専攻が生かされているというケースをあまり聞きません。例えば体育会において、財務係に会計専攻の学生を採用、アナリティクス係に統計専攻の学生を採用する、という風にです。マネージャーが経営学を専攻し、組織運営の実現の場にしてもいい。

日本の教育は「理論」と「実践」の場が離れすぎている。そして新卒採用のおかげで学んだ理論が生かされない。そして学生サイドも学部の垣根を超えた理論の習得と実践のアクションを起こせてない。理系学生は教授から割り当てられた研究テーマに縛られがち。だからこそ、文系学生の奇想天外なアイデアで理系学生を口説いてみたら面白いわけです。

ビジネスの変化が激しい現代において、管理職のおじさんより間違いなく大学生の方がアンテナを張れている。扱う経営課題が多様に変化しているからこそ、横断的なスペシャリストチームを組む必要がある。そしてアイデアを実現できる人材がキャンパスのどこかにいる。日本にいないなら海外で探す。そういうことが留学のメリットでありグローバル化の神髄であると思うわけです。だからスタンフォード大学の近くにシリコンバレーがあるのも納得できます。筆者も昨年からドローンとスポーツアナリティクスを学びに他キャンパスへ越境する小さな一歩を踏み出してみました。

そんな筆者のような文系学生にとって孫氏はロールモデルになるな、と思った話でした。